joiedelamerbleue’s blog

日本語を教えていて思ったことのメモ

学校をやめるまでの経緯6

こうして授業中止申請書は受理され、10月15日を以て本学での授業をやり終えた。そのあと学校から依頼があり、10月27日に「解除合同協議書」を提出した。文面を読むと、10月15日まで分の給料も支払われるようだ。ありがたい。今はマンションの荷物リストを作っている。基本的には処分、学校で使えるものは寄付、買い直せない個人的な所有物(日記やパソコンなど)は送るか保管してもらおうと思っている。

授業を途中で投げ出してしまって申し訳ない。5月の契約更新のときに断っていればこんな迷惑をかけることにならなかったんだ、と思うこともある。ただあのときは夏に渡航できる可能性も残っていたし、毎月定収入があることはありがたいと思い、学生には悪いとは思いつつも、学校側も更新を希望していたので、契約更改の意志を伝えた。その後、契約書がなかなか来ず、学期が始まってからやっと来た。何か揉めているのかなという不信感もあり、いつ辞めろと言われても仕方がないと思っていたので、心の準備はできていた。日本人の先生が1人もいない学校ならまだしも、2人もいる学校でこのままオンライン授業を続けるのは理由が立たない。学生にとって良くない。

学校をやめるまでの経緯5

それで「10月15日まででオンライン授業は中止」という提案があった。私も学生のことを考えたら、このまま続けるのは良くないと考え、承諾した。それで授業中止申請書に理由を書いて提出した。理由は①招聘状問題➁移動中のコロナ感染リスク➂費用、の観点で書いた。健康第一で考えると➁が心配。青島へ行くためには大阪から東京へ行かねばならない。この1年半遠出していなくて、いきなり大きな荷物を抱えて移動するのは体力消耗して抵抗力が落ちることに不安がある。手続きも煩雑だし精神的な疲労もたまることだろう。冬は抵抗力が落ちてコロナ以外にもインフルエンザなどにかかる可能性もあるので怖い。➂は一年以内に飛行機が自由に飛ぶようになると予測できれば、負担してもいいと思っていたが、現時点では不透明。特に緊急事態(親の病気など)が発生して帰国しなければならなくなれば、多大な負担を強いられる可能性がある。①は中国側の采配なので予測困難だが、前述したとおり日本人の先生が2人いる学校にそう簡単に発行されるとは思えない。

学校をやめるまでの経緯4

それから1週間ほどして日本語ぺらぺらの担当者から再度連絡がきた。日本語科の先生が外国語学院長に報告に行ったところ、「帰ってくると言ったのに、なぜ帰ってこない?オンライン授業はやめるべき」とお怒りのようだった。もう少しこちらの事情も理解して思いやりの言葉があるのかと思っていたが、がっかりだった。日本人の先生が私しかいないときもあって頑張ってきたのに……このひどい言われよう……。まあ伝聞なので本当のところ、どんなことを言ったかわからない。ただ学院長の意見も理解できる。日本人の先生が2人いるし授業数も8コマしかないんだからなんとかなるだろう、オンライン授業で学生に不利益を被らせるのは良くないと考えるのも。現場の先生は負担が増えるし、外事処は新たに先生を募集しても見つかるかわからないので、辞めてほしくないというのもわかるが、第三者視点で考えれば学院長の意見は妥当だと私も思う。管理者は外部に対しての説明責任もある。日本人の先生が2人いる学校で、このままオンライン授業を続ける理由は? 学内でもそんな意見になるのだから、招聘状の発行も理由が立たない。たとえ体格検査などの書類を整えても、よっぽど弁が立たないと市政府を説得するのは無理で、渡航できる可能性は低いという思いを強くした。

学校をやめるまでの経緯3

それから1か月ほどはオンライン授業を続けた。あるとき日本語科の先生が見学に来られた。外教がどんな授業をしているか学校に報告する必要があったらしい。授業自体は高く評価していただいたが、報告する過程で教務課からクレームがあったのか、再度外事処経由で中国へ戻る意志があるかどうか聞かれた。今度は前の担当者と違って、日本語ぺらぺらの優秀な方だ。「1週間8コマは少なすぎる、授業を増やすか給料を減らすべき」と言われたようだ。そこでいろいろと事情を話し、渡航の意志はないことを伝えた。「それなら1クラスの人数を減らして、同じ授業を増やしてもいいか」と聞かれたので、承諾した。

学校をやめるまでの経緯2

前期の授業が始まるその日(9/2)に契約書が来た。本来6月30日までにサインしておくべきもので、7月初めに「契約書が届いていない」と問い合わせしたが、「改めて返信する」と言われて何の返信もなく放っておかれたものだ。学校内で揉めていたのか、忘れていたのかわからないが、契約書のような基本書類のハンドリングもできないで、招聘状取得がうまくいくことは期待できないと、またがっかりした。このときに「ちょっと考えさせてくれ」とサインするのを渋った。「日本の感染状況を鑑みて(大阪は前日感染者数最多を更新、3000人以上)渡航意欲はない、オンライン授業でもよければサインする」と答えたら、「とりあえずサインして、そのあとどうするか考えよう」とのことだったのでサインした。どうやらサインしておかないと給料の振込手続ができないからのようだった。日本語科の先生には特に何も連絡しなかった。学期が始まったばかりで忙しいだろうし、いらぬ混乱を招くと思ったからだ。

学校をやめるまでの経緯

2020年の年末に中国へ戻る意志表示をして、招聘状の発行依頼をしていたが、なかなか招聘状が下りず、2021年前期(9-12月)が始まるまでに中国へ戻ることができなかった。学期が始まってから再度招聘状発行を依頼するとのことで、犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)と体格検査を要求された。どうやら同じ職場に戻る優遇措置が終わったようで、体格検査や無犯罪証明書がいるならほぼゼロから入国手続きをしなければならない、それなら新しい学校へ行く手間と同じだなと考え、かなり渡航意欲が失せた。

それでもまだ「やってみるか」という気持ちも残っており、それぞれの書類について調べてみた。無犯罪証明書は無料で発行してもらえるが、体格検査は約4万円ほど費用がかかり有効期間は6か月とのこと。無犯罪証明書の発行には「外国人来華工作許可申請表の記載済みのもの(写し可)」が必要とのことで、学校に依頼したところ、オンラインで申請するから紙ベースのものはないと言われた。それなら「使用目的等確認書類(外国の公的機関があなた個人に対して犯罪経歴証明書を要求していることが明示されている文書(申請者の氏名・目的が記載されていること))」を発行してもらう必要があり、学校の担当者に発行依頼したところ、WeChatのメッセージに3行くらいの文面で書いてきた。ここで心がポキッと折れてしまった。このスマホの画面を警察署で見せれば、発行してもらえるとでも思っているのだろうか。私の中国語が下手でうまく伝わらないこともあるとは思っているが、常識で考えて、日付、担当者の氏名・連絡先を書いて文書の形に整える、学校の印鑑を押す、などは最低限必要だろう。この事務能力では招聘状取得は覚束ないと非常な不安を覚えた。体格検査をしたところで確実にとれる保証もない。ただでさえ日本人の先生が2人いて招聘状取得が困難だと思われるところ、このまま手続きを進めてもダメになる可能性が非常に高いと思った。「文書の形に整えてください」と返信する気にもならなかった。

ただ先方の事務能力に不安があって渡航をやめることにしたのは、きっかけに過ぎない。急に冷静になってしまい、手続面だけでなく、健康面、費用面を考えたら、自分の場合は渡航はしないほうがいいと判断した。

中国人大学生の作文「私の寮」の推敲例

「私の寮」というテーマは、

存在文、「~してある」、位置関係(右・左など)の語彙

の練習が目的である。

 

  • 私の部屋には六人のルームメイトがある。みんな仲がいいだ

 ルームメイトが6人いる いい

基本的な存在文だが、正確に書こうとすると意外に難しい。

モデル文を示しても、それをよ~く見て、応用して書いてくる学生はほとんどいない。

まず「6人のルームメイト」の語順があまり日本語らしくない。

生物の場合は「いる」を使うことを習っているはずだが、

書かせると間違っていることがある。

 

後ろの文が短すぎるし、「いいだ」も間違っていて幼稚な印象を受ける。

このような場合は、2つの文をつなげて、

私の部屋にはルームメイトが6人いて、みんな仲がいい

とすると、幼稚な印象を与えるのを防げる。

 

  • 部屋には六つのベッドと二つのテーブルがある

 ベッドが6つとテーブルが2つある

 

  • 学校は壁に物をかけることを禁止だから何か かけてあらない

禁止しているから 何も かけていない 

「禁止」は「する」を付加して動詞化しなければならない。

同じような間違いに「勉強すれば勉強ほど」「私の生活は充実だ」などがある。

「~してある」の否定形は「~していない」なのだろうか。

このような非対称な変化があって、日本語は複雑。

 

  • 寮費は一年で約二千八百で、ちょっと高いである

2800元 高い

漢数字で書かれると読みにくい。

形容詞の常体は何度注意してもこの体たらく。

教師は辛抱強く温かく見守らなければならない。